良妻賢母だった妻の浮気調査を依頼した体験談

学生時代、居酒屋のバイト先で出会った女性と大学卒業と同時に結婚し、一男一女をもうけ、小さいながらも新築のマイホームを購入し、曲がりなりにも人並みの幸せな家庭を築き上げて来た私にとって、大きな人生の転機が訪れたのは桜吹雪が舞う3月下旬の頃でした。

私が良妻賢母を絵に描いたような妻の行動に異変を感じ始めたのには、理由がありました。

先ず、ほとんどお洒落にすら気を遣わなくなっていた妻の服装の趣味が変化し、全く興味を持っていなかった香水をつけ始めたからでした。本人曰く、「ちょっとした気分転換よ」とか言って誤魔化していましたが、明らかに何かを隠している様子が伺えました。

また、夕食の準備が次第に疎かになってきたからです。スーパーのお惣菜や点屋物が食卓に並べられる回数が多くなり、その頃には殆ど毎夕食が出来合いのものになってしまっていたからです。

そして極め付けは、今迄はそんなことはなかったのですが、スマホを触られることを極端に嫌がるようになり、常に私の知らない暗証番号でロックを掛けているようになっていたからです。当然、お風呂に入る時も、トイレに立つ時も、スマホを肌身離さず持ち歩くようになっていました。

素知らぬ振りをして見過ごそうとしたものの、どうしても納得することができず、妻に直接問いただしたところ、絶対に認めようとしませんでした。

仕方が無いので、ネットで探偵事務所を検索し、浮気調査を依頼してみることにしました。

探偵事務所は、中心街の目抜き通りに面した雑居ビルの4階にありました。何せ人生初めての依頼でしたから、少なからず緊張の面持ちで事務所のドアを開けたのだと思います。しかし、そんな心配は杞憂に終わりました。担当して下さったT相談員の物腰の柔らかさが、私に安心感を与えてくれたからです。

家庭の事情を色々と話さねばならず、気が滅入りそうにもなりましたが、何れは決着をつけねばならないことだと割り切り、包み隠さず全てをT相談員にお話しました。そのことが功を奏したのか、特定の日時に帰りが遅くなる妻の浮気の証拠写真を撮影することは簡単だったことを、後で彼から告げられました。

証拠写真を突きつけられて、ようやく妻もその事実を認めてくれました。

「最後に1つだけ、聞きたいことがあるんだが」

「・・・」

「どうして、浮気なんかしたんだ?」

妻の答えに、人生とは何なのかを考えさせられてしまいました。

「あなたが真面目すぎるから・・・」

結婚以来、家族のためだけを思って一所懸命に働いてきたというのに、このような仕打ちがあっていいのか。

人生の不条理を噛み締めながら、離婚手続きを粛々と進めている最中です。

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